【書評】億までの人 億からの人 ── ゴールドマン・サックス出身投資家が語る「兆人」のマインドと習慣

「億を稼ぐ人」と「そうでない人」の差はどこにあるのか。

ゴールドマン・サックスに17年間勤務した著者・田中渓は、その問いに対して意外な答えを出します。

違いは、テクニックや知識ではなく「思考のOS」だ。

資産形成の本かと思って手に取ると、習慣と思考の本だったと気づく——それがこの一冊です。

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この本の核心:「億まで」と「億から」の分岐点

著者は、資産状況によって人を「億まで」「億から」「兆人(ちょうびと)」の3段階に分けます。

ただしこれは単純な資産額の話ではなく、ものの見方・考え方・習慣の質の違いを表しています。

「億までの人」は結果を求めて手法を追いかけます。「億からの人」は仕組みを作ることに注力します。そして「兆人」は、そもそも別次元の「基準」で生きているというのです。

この枠組みは、投資の話を超えて、働き方や人生設計そのものに示唆を与えます。

「基準」という習慣

この本で最も印象的な概念が、**「基準を持つこと」**です。

兆人たちは、何かを判断するときに「自分の基準」を持っています。市場がどうであれ、流行がどうであれ、自分の基準に照らして判断する。

これは習慣と深く関わっています。基準を高く持つためには、毎日の思考・行動・情報収集の質を一定以上に保つ習慣が必要だからです。

「今日読むべきものを読んだか」「今日考えるべきことを考えたか」という問いを毎日自分に向けることが、基準を育てる習慣になります。

「問いを持つ」習慣

著者が強調するもう一つの習慣が、常に問いを持ち続けることです。

一流の人は「答え」を持っているのではなく、「良い問い」を持っていることが多い。

「なぜこれが起きているのか」「これが正しいとして、何が見えなくなっているか」「10年後の自分は今の自分をどう見るか」——そういった問いを日常的に持つことが、思考の質を高めていきます。

毎日30分でもいい、こうした深い問いに向き合う時間を作ることが、超一流への入口だと著者は言います。

情報のフィルタリング習慣

情報が溢れる現代において、何を受け取り、何を無視するかを決める「フィルタリング習慣」も重要なテーマです。

「億までの人」は情報を受け取るだけ。「億からの人」は情報を選別する。そして「兆人」は、情報源と付き合う人間関係ごと設計する。

この話は、習慣の設計に直結します。毎朝どのニュースを見るか、誰の発信を追うか、どんな本を読むか——これらすべてが「思考のOS」を形成していきます。

長期視点という「時間の習慣」

短期的な結果に一喜一憂しないという「時間軸の習慣」も、著者が繰り返し強調するポイントです。

資産形成でも、スキルでも、人間関係でも、10年単位で物事を考える習慣を持つことが、最終的な差をつけます。

「今日の1%の改善」がアトミックハビッツの発想だとすれば、「10年後から逆算して今日を設計する」のがこの本の発想です。両方の時間軸を持つことで、習慣の質が変わります。

Habit Tracker との相性

この本の教えを日常に落とし込むなら、毎日の振り返り習慣が有効です。

習慣トラッカーは、思考の質を毎日積み上げる場として活用できます。

こんな人におすすめ

まとめ:今日から試せること


Habit Tracker は、毎日の小さな思考・行動の積み上げを記録するためのアプリです。「兆人の習慣」を日常から育てるツールとして、ぜひApp Storeで無料ダウンロードしてみてください。